大谷石劣化の補修と保護塗装
こんにちは。塗りかえ専門店 佐藤塗装店 佐藤です。
横浜市戸塚区にお住まいのお客様より、大谷石劣化 補修のご相談を頂きました。経年による劣化で大谷石がボロボロと剥がれ落ちる状態で、それに伴う汚れも気になるという事です。そもそも大谷石は、軽くて加工がしやすい反面、風化による劣化が始まると水に弱い石材ですので、ボロボロと劣化をしてしまう状態になってしまいます。
そもそも大谷石とは・・・。
大谷石(おおやいし)は軽石凝灰岩で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材である。柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。
軽くて軟らかいため加工しやすく、さらに 耐火性に優れている。このため住宅(かまど、石塀・防火壁、門柱、敷石・貼石など)、蔵や倉庫、大きな建築物の石垣、斜面の土止め石(擁壁)といった幅広い用途を持つ。耐火性・蓄熱性の高さからパンやピザを焼く窯や石釜の構造材としても用いられる。Wikipedia より
加工がしやすい反面、水に弱い石材であり経年劣化が進むと表層剥がれやすくなってしまうようで、これをどういった方法で大谷石の補修を行う??というのが経年劣化をした大谷石のテーマでもあります。
今回ご相談を頂いた横浜市戸塚区のお客様宅擁壁も、経年劣化が進んでいる状態であります。この擁壁をモルタルでモリモリと厚塗り施工をして、保護塗装をする工事のご紹介でございます。
↑ 上:施工前
↓ 下:施工後
1. 施工前の状態
既存の大谷石の状態は、劣化が進み表層がボロボロと剥がれている状態です。ある一定期間が過ぎると水に弱い石材ですので、雨風に晒される度に劣化した石材が下に落ちる状態になります。また、汚れも蓄積されていますので「高圧洗浄」だけでもある程度キレイになるものの、根本的なボロボロ落ち行く解決策にはつながらないという点が残ってしまいます。
劣化した部分のみを直す方法や、ただボロボロと落ちない防止施工など、見た目を気にしなければそういった方法もございますが、私たち佐藤塗装店 左官工事では下地の補強も兼ね、厚い壁厚をモルタルで固める工事方法をご提案させて頂いております。
【工事内容】大谷石改修工事
ハツリ⇒水洗い⇒接着剤、下塗り⇒ラス取り付け⇒モルタル下塗り⇒コーナー定規取り付け⇒中塗り⇒ひび割れ防止ファイバーネット伏せ込み⇒ 接着剤、上塗り
ざっと工程をまとめるとこのようなカタチになります。
仕上げに隠れてしまう工程の中には、とっても重要作業事項も含まれております。というか、含まれるという解釈もおかしいくらい全ての項目がとっても重要なんです。
2. ハツリ、洗浄
まず、モルタルも塗る前に「はつり」作業を行いました!聞きなれない言葉ですが、劣化をして今後ボロボロと崩れる箇所を、専用ハンマーなどでガリガリと削ります。
この工程をやらずして、上からモルタルを重ねて塗ってしまうと、後々で大谷石の劣化層からの剥がれが生じるのです。それを防ぐためのとっても重要な工程なのです!!
各所ハンマー打診で浮きの確認をして、劣化箇所を全撤去致しました!!
3. モルタル下塗り、中塗り
モルタルを塗りつけるために、接着材を塗布します。塗装で言うところのプライマーや、シーラーと呼ばれる下塗り工程になります。
シーラー塗布後、モルタルの密着をより良くするためのラス(網)を取り付けしました。こうする事で、モルタルの剥がれを防止する役割がございます。もしもこの工程を省いたとすれば・・・。剥がれやすい???
そういった事も踏まえ、一つ一つ工程を進めました。
大谷石本体のモルタル施工の前に、コーナー部分の施工に取り掛かりました。
この部分、実は逆勾配になっておりまして、通常外側に傾斜をして雨水を流れやすくするのですが、逆勾配でフェンス側に傾斜がついており、雨の度に水たまりができる事を防止する作業も含まれます。
既存大谷石は、スカスカで水たまりができる事はなかったのかもしれませんが、モルタルも塗ることで隙間もなく水たまりができやすくなってしまう抑制の作業となります。
コーナー部分は「角」をきっちりと出すための、コーナー定規も取り付けをしました。
作業とちゅうではありますが、このコーナー定規がかっこいい角を創り出すのは、こういった隠れてしまう工程の積み重ねなのです。!!
ひび割れ防止のファイバーネットを伏せ込みして、上塗りをする下準備の完了です。ちなみにここまで作業を進めると、大谷石感はゼロに近くなります。
4. モルタル上塗り
モルタル工事も最終工程です。モルタルの薄塗りにて最終的な肌をキレイに仕上げます。ここまでの工程だけでも大谷石の強化として十分なのかもしれませんが、さらなる仕上りの向上を目指し上塗りを行いました!!
先に接着材を塗布した上で、モルタル仕上げ塗りを行いました!!
塗っては乾かし、時を見計らいコテで慣らしの繰り返し。ボロボロになってしまった大谷石も、見違えるほどの擁壁に生まれ変わりました。
5. 擁壁保護塗装 IPヨウヘキコート仕上げ
水分の影響を受けやすい擁壁の壁面。この擁壁を塗る専用の塗材がございます。なんでも湿気の影響等を受けにくい塗材であり、擁壁の保護にはうってつけの塗材なんです。
今回はモルタルむき出しである仕上げの保護として、IPヨウヘキコートで仕上げをしました!!
作業工程は、通常の塗装と同じで下塗り⇒中塗り⇒上塗りの順で仕上りを目指します。
まず養生を行った後、シーラーを塗布しました!!
今回の仕上げは「アイボリー」での仕上げです。建物本体との相性もよく「グレー」などもございますが、暖かみがある印象の色目です。
擁壁の保護塗料である「ヨウヘキコート」を塗り重ねる事、3層。色がより引き立ち完成を迎えました!!
工事前は傾斜がフェンス側に向かっていましたが、しっかりと雨水を排出できる傾斜を付けました。
↓ 階段廻り
劣化している大谷石をモルタルでモリモリ塗った上に、擁壁の保護塗装であるIPヨウヘキコートで仕上げました!!通常の塗料で仕上げれば選択肢もたくさんあるのですが、擁壁裏側の湿気影響を受けやすいとの事で、剥がれやすいという事を考慮しての塗料の選択です。
この度は佐藤塗装店へ工事のご依頼を頂きありがとうございました!!
もしも、ボロボロと剥がれ落ちる大谷石でお悩みでしたら、こういった補強方法もございます。お気軽にご相談ください!!
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